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709回目:FACTFULNESS〜宿命本能〜変化を常に追い続けろ〜

宿命本能とは、すべてはあらかじめ決まっているという考えから生まれる、持って生まれた宿命によって、人や文化の行方は決まっているという思い込み。人間に備わっている本能の一部。

人間は、昔からあまり変化のない環境で暮らすことを選んできた。違う環境に自分を合わせるよりも同じ環境に慣れ、それが続くと考えて生き残りをしてきた生き物である。団結と優越感の中で生きてきた。

しかし、今の時代新しい知識、情報、文化を取り入れることを拒めば、大海原に広がる社会の劇的な変化が見えなくなってしまう。社会も文化も不変ではない。世界はいつも変化している。

しかし、皆の衆は、世界の経済についてどう思っているだろうか。

  • ヨーロッパ経済は成長し続ける
  • アフリカの経済は西洋に追いつけない

もしこのような考え方があなたに根付いているのであれば、あなたは自分が「宿命本能」という厄介な「思い込み」に捕らわれている。これは、有名な知識人や優秀な投資家も、世界の経済についてこのような思い込みをしているようだ。実際はというと、西洋の経済は鈍化しており、一方で貧困レベル2(一日あたりの所得が2~8$、日本は貧困レベル4)のアフリカの国々の成長は目覚ましい。しかし、その事実を知らなかった投資家は、成長最中にある「アフリカ」ではなく、経済成長が鈍っている「ヨーロッパ」を投資先に選んでしまう。彼らがそのような思考に及ぶのは、「ヨーロッパ経済は成長し続ける」や「アフリカ諸国は貧しいまま」といった「宿命本能」という思い込みが原因である。つまり「西洋思考」の投資家の多くは、アフリカ経済の成長に気づいておらず、途方もないビジネスチャンスを逃してしまっているのである。

持って生まれた宿命によって、人や国、宗教や文化の行方は決まるという思い込み。「物事が、昔から今の姿であるのは、どうにもならない特別な理由があるからで、これからも永遠に変わらないし、変われないだろう」という考え方が「宿命本能」によって、勝手に思い込みしている我々。だが、実際には、「インターネットやスマートフォンの普及」のような急激な変化が、身の回りに頻繁に起きている事を実感できていないだけで、社会や文化は、実は昔から常に変化し続けている。

社会と数学の違い

我々は小学校、中学校、高校と勉強をしてきた。これがマジで注意ポイント。それは何かというと、当時習った「社会科」って言う科目の知識は、「その当時の最新情報」だったのに過ぎないにも関わらず、「数学」や「化学」のように、この先もずっと変化しない、普遍的な科目と思い込んで学んだってところ。要は、当時の社会の授業で習ったことは、今後も変わらない普遍の真理のように錯覚し、自分の中では全くアップデートされていない。なので、当時学んだ知識のまま、20年経って、実際はめちゃくちゃ世界は変わったのに、20年前に学んだ知識のフィルターで、今の世界を見ている。だから、世界のゆっくりとした変化、とはいえ、振り返ると劇的に変化したことに、実は気が付きにくい。だから、間違った見方をする。的外れビジネスの戦略を立てたりする。宿命本能を抑えるには、小さな進歩を追い続け、自分の中の知識を常に新鮮に保つよう心掛けること。そして、自分の価値観を親や祖父母、子や孫世代のものと比べてみるなど、実際にどのくらいの変化が起こっているのか確かめることが有効とされる。

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