12時間
俺たちは、
シンシナティからいまペンシルバニアを超え、
間も無くニューヨークに着く。
俺たちはホッとしている。。
何故か、、
前回24時間かかると思っていたら、
実は12時間だったと気がつき、
アメリカに来たばかり、
英語を学び始めたばかりの集団の
ミスコミュニケーション発生。
なんだよ!ったく!
24時間なわけねーだろ!笑
社内は愉快だった。
一部屋に。。
ニューヨークに無事について、
ホテルにチェックイン。
ニューヨークのホテルは、めっっっちゃめちゃたかい。
一部屋一泊2〜3万だった。
そこで、節約のために
一部屋にベット二つ、そして一つのベットに2人ずつ寝て、
男4人でギチギチに寝た。
※日本は1人いくら、、アメリカは一部屋いくら、、の料金設定。
宗教の壁もぶち壊す
イラクのタハと、リビアのハサンが、
なんか申し訳なさそーーに問いかける。
ハサン、タハ『あのぉ。、、お祈りしていい?ここで、、』
!!
そう。
彼らはイスラム教。
一日5回はメッカに向かってお祈りしなきゃならない。
キリスト教のフェリックスと、仏教の私は、
そーいうお祈りの、儀式の縛りはない。
同じ部屋にずっといるわけだ。
生活が全て丸裸になる。
でも、何となく悟った。
こいつら、、、俺らを気にしてるな。。。
何かに気をつかってるな。。
聞いてみる。
私『いーにきまってんじゃん!あれ?てか、今まで、、俺らずっと一日中いるけど、、今までお祈りどーしてた?』
タハ、ハサン『ぁぁ。。朝はやったけど、なんか、、なんとなく、、言いづらくて、、、』
。。。。。。
。。。。
私、フェリックス『ばかやろう!!そんな大事なこと!!!何を気をきをつかってんだぁぁ!!!さっさとやってない分も合わせて全部やれぇぇえ!!!』
タハ、ハサン『!!』
。。。。
。。
なんとなく、国境を越えた瞬間だった。
彼ら2人の顔が少しほころんだ。
安心しているような印象を受けた。
イスラムの2人は、絶対俺らに何らかの気をつかっていた。
間違いない。
でもぶち壊した。
その後からは、何かと、、
私、フェリックス『これから外行くから、今のうちにお祈り3回分やっておいたら?笑』
タハ、ハサン『神が怒るから、、2回分にしておこうかな笑』
私『お祈り貯金いーんだ!笑』
と、
お祈りをネタに笑い飛ばす。
これが友情だ。
観光を楽しんで、
名所という名所は行きまくった。
途中もめたり、喧嘩したり、ふざけたりしつつも楽しい時間を過ごした。
そして、最高の四日間を過ごし、我々はまた12時間かけてシンシナティに帰る。
フェリックスがんばれ
また、フェリックスが運転する。
夕方、ニューヨーク発、明日の朝シンシナティ到着予定。
朝シンシナティについたら、
車を返却して、そのまま授業に行くダンガンスケジュール。
真夜中、ニューヨークから、またペンシルベニアを通り、オハイオ州へ。
こんだけ一緒にドライブしていると、それはそれは道を幾度となく間違う。
なぜか。
レンタカーのカーナビがボロく、道がよくわからなくなる時がたまにあった。なので、Googleマップと並行して道を確認していた。
ゆえに!!意見が食い違ってわけわからんくなるスパイラル。
それに加えて、アメリカのハイウェイは、やたらと分岐が多く複雑。
一歩間違えれば、わけわからん方向に進んでしまう。
そこで事件が起きた。
真夜中の一月のアメリカのハイウェイ。
雪が降りしきる中、
また分岐がやってくる。
ボロカーナビが真っ直ぐ行けと示す。
しかしGoogleマップは右に折れろと指示を出す。
なに?!
意見が食い違う。
右じゃね?!
いやいや!!真っ直ぐだろ!!
いやいや!!
ドライバーフェリックス混乱。
どっちに行ったらいーんだ!!!!
。。。。。。
。。。。
少々減速し始める我々の車。
その瞬間!
閃光が走る。
バックミラーにパッと、
明るいライトが降りかかる。
え?!
バックミラーを見たフェリックスが、
突如、
スペイン語で叫ぶ。
。。。。。
『ぷぅったーーー!』
※スペイン語でShit!!
。。。。。。。
。。。。。
。。。
どぅぁあがぅうぁあ!!!
ががががが、、、
よれよらよれ、、、
。。。。
。。。
そう。。
後ろから、アメリカのむっちゃでかいトレーラーが我々の車に突っ込んできたのだ。
↑こーいうやつ。
。。。。。
。。。
大破。
。。。。
。。。
後ろ完全大破。。
↑我々の車。。。
今でもこれに乗車していたこととを思うとゾッとする。
完全にいかれた。
すぐさま助手席に乗っていた俺は外に飛び出る。
おい!!フェリックス!!大丈夫か!?!
運転手フェリックス大丈夫そう。
問題は後部座席。
おい!!タハ!!ハサン!!大丈夫か?!
ぐったりしていた。
ただ、意識はある。
そこからは時が一瞬にして流れた。
雪が降る夜中3時のハイウェイ。
救急車が3台ぐらい到着し、パトカーが数台。
ポリスがなんか言ってるが、何言ってるか分からん。
とりあえず、救急車でメディカルチェックのようなことをされ、
奇跡的に4人とも無傷であることがわかった。
そして、そのまま護送車のようなもので搬送される。
近くの警察署へ。
朝の5時。
警察署の待合室に4人とも隔離される。
俺はその時色々考えていた。
留学中なのに事故に会い、警察署に隔離されている自分。。。なんつーことしてんだ。。。
誰かに迷惑をかけないだろうか。。
親には迷惑かけないだろうか。。
会社に迷惑かけないだろうか。。。
などなど。。色々考えた。
隔離部屋みたいなとこで。。。
そしてつたない英語でホームステイ先のサラ姉さんとりあえず電話。
しかし朝の5時。
まだ寝てる。
なので、留守番を残す。
カーアクシデント!カーアタックミー!アイムノープロブレム!!
絞り出すかのように出した言葉。今でも覚えてる。
正直、そもそも何故隔離されているのかも分からなかった。
何故ならポリスが何言ってるか分からなかったから。
すると、突然ドアが開き、
ポリス登場。
そして、一言。
『ユーガイズ!ノーフォルト!!』
。。。。。。
。。。。
4人『。。。は?』
。。。。
。。
!!!!
No fault !!!!!!(罪なし!)
理解!!!
そーいうことか!!
ドライバーが同じ警察署で取り締まりを受けてて、多分向こうのドライバーのスピードの出し過ぎか、前方不注意で我々に罪なしとなったのか!!
完全に後ろからだったしな。。
その後、向こうのドライバーの会社の費用負担と、レンタカーの保険が適用された。
レンタカー屋で再度、無料で車を借り、車を乗り換えシンシナティに帰った。
ゆっくり。
ゆっくり。
さすがに、フェリックスがめちゃくちゃ凹んでて運転どころでは無かった。
↑むちゃくちゃ凹むフェリックスと、明るく振る舞う私。
ドライバーはタハに代わり、みんなでフェリックスを慰めながらシンシナティへ。
↑タハ『まかせろ。。』
その頃はすでに、
もう午前9時を回っていた。
授業は始まっている。
でも、4人とも、、
“まずは安全にシンシナティに帰ろう!”
“授業は明日から出よう!無傷なだけでも奇跡だから!”
と、
声を掛け合って、ゆっくりシンシナティを目指す。
無事に、シンシナティにつく。
一応無傷とはいえ、
事故には巻き込まれてたわけで、
まずは無事についたということで、落ち着いたところで、会社には一報を入れ、もうその日は家に帰った。
ドアを開けた瞬間、サラが飛んできた。
俺をきつくハグ。
本当に心配したよと。
翌日
学校へ行く。
フェリックス、タハ、ハサンと顔を合わせる。
ニヤリ。。
生きてる?
YES笑
先生も心配して駆け寄ってきた。
本当に気をつけてくれ、大事に至らなくて良かったと。。声をかけてくれた。
そして、
先生『君ら、、、、全くバラバラの国から集まってきた4人だけど、、これでもう一生の友になったね。。』
と、粋な言葉をかけてくれた。
その時は、実は、語学学校の他の生徒には事故にあったことは言わないでおいてくれと、僕らから先生達には話をしていた。若い生徒に動揺させたく無かったからだ。
なので、当時の生徒達からは、アホのクレイジー4人組が、ニューヨークまで車で行って帰って、しかもそれで次の日授業やすみよった。。
と、ネタにされていた。
でも、
もうここまできたら4人には強い絆が出来ていた。
俺はとんでもない大事な友人を手に入れた。
一生忘れないだろう。。
↑タイムズスクエア前でのワンショット
そして、、、
その日のことだった。
1時間目の授業が終わって、次の授業にうつろうとする。
1〜2限目のクラスの入れ替えで、
僕が座っていた席に座ろうとする中国人の女の子がきた。
彼女は2限目僕の席に座る予定だ。
すれ違いざまに、
彼女は、僕のことを中国人と思って、
中国語で話しかけてきた。
でも、僕は無視。何故なら中国語分からないから、話しかけられてることも分からなかった。
その時、彼女は思ったらしい。
あーこの人中国人じゃないんだ。。と。
その時は知る由もなかった。
その女の子が、将来の僕のフィアンセになるなんて。。