「自分のアタマでもっと考えなさい!」
など、まぁよく言われたもんだ。
ただ、よくよく考えてみると、
『自分の頭で考えろって。。どうやったら良いんだ??』
って、ぶっちゃけ言われた相手に思ったことないだろうか?
俺はある!正直言って、何度もある。
そこで、今回は自分が言われてめちゃくちゃモヤモヤしていたこの言葉の真髄をつくような本に出会ったので、
ここに残しておく。
自分的には結構注目している本なので、何話かに分かれて書くことになりそうだ。
社会派ブロガー&紀行文筆家こと、「ちきりん」さんの著書
「知っている」≠「考える」
「知識」とは過去の事実の積み重ねであり、
「思考」とは未来に通用する論理の到達である。
何かを考える際に、頭の中から知識を引っ張り出す行為は、「思考ではなく、他人の思考を借りている行為」。
自分の頭で考えることは、
「知識と思考をはっきりと区別する」
ことから始まり、
「自分で考えなさい!」と言われたら、
知識を取り出すのではなく、
むしろ
知識を一旦「思考の舞台の外」に分離することが重要
例えば、「野球の観戦者の割合が高齢化している」というデータが存在するとしよう。
その場合、今後の野球界の雲行きが「明るい」のか「暗い」のかを聞かれたとしよう。
野球に詳しい日本人Aの意見はこうだ。
- 高齢化に伴い観戦者は減少するだろう。
- 若手の野球離れが顕著。スポーツ観戦の多様化
→未来は暗い
一方で、全く野球を知らない外国人Bはこうだった。
- 比較的お金にゆとりのある世代が野球を観戦するシェアが増えている
→未来は明るい
ここで着目しておきたいのは、特にA。
一見自分でこの表を見て考えたように見えるが、
この意見は、過去に自分が習得した知識や知見がバックグラウンドとして、バイアスとして刷り込まれてしまい、
考えたというよりも、知識で結論づけてしまったに過ぎない。
一方でBは、日本の少子化の知識などバックグラウンドがなく、Aとは全く逆の意見となった。
目に前に情報があり、それについてどう思うかを問われる。
するとその時に、
一瞬で、パッと答えが出る人。
あの人は頭がいい。
出来る人。。。。
なんて思われがちだが、
果たしてそうなのだろうか。
「パッと」何らかの情報を抽出してしまうのは、
「思考」ではなく「知識」の思い込みが存在している
と著者は述べる。
時代が変わり、世の中が変わり、新しい現象が出てきて新しい情報に触れたときに、
過去の知識ではなく、目の前の情報から、
ゼロベースで一回考えることができるかどうかが肝だと述べる。
基本的に、自分の専門分野になればなるほど、
「知識」が増えるため、思考が保守的になりがちである。
確かに、自分の失敗経験や成功体験があるビジネスモデルの方が、
やたらと早めに結論づけてしまい、そしてそれはネガティブな結論になることが多い。
また成功体験も、
知識の中での影響力が大きく、
成功体験はゼロベースで物事を考えるときの妨げにもなってしまう。
こーやったら、過去に成功した
という知識が、
一旦まっさらで考える『思考のゼロペース』の妨げとなってしまうのだ。
だからこそ、「自分で考える」行為を行うときに、
「知識と思考をはっきりと区別」することが重要であり、
頭の中から「知識」を引っ張りだすのではなく、
むしろ知識を一旦「思考の舞台の外」に分離することが重要である。
意思決定のプロセス
さらに著者はめちゃくちゃ面白い話を例に出す。
これは、どの会社でも起きてそうな興味深い話。
新規ビジネスを構築する経営企画室で起きた話。
社長がとある新規ビジネスに目をつけ、
そのビジネスモデルの精査を行うために戦略室を立ち上げた。
社長直属の部署で、そこには、
営業、経理、研究、国際、総務と、
あらゆる場所から選りすぐりの社員が招集される。
そして、とある新規ビジネスを立ち上げるために会議が行われる。
第一回ミーティング
そこでは、それはそれは選りすぐりの社員が、
素晴らしい資料とプレゼンを行い、
意見も活発に行われる。
まとめ役が言う。
では、また2週間後!
今度は、さらに法務の側面から、
この新規ビジネスに関わる可能性を議論します。
それまでに、調査をしてくるように!
皆『はい!』
その会議後、皆の衆は活力に満ち溢れていた。
2週間後、
第二回ミーティング
相変わらず、精鋭たちからから出されるプレゼンと、
資料は大層なもので、意見交換かんもさらに活気づいた。
また、まとめ役が言う。
では3回目!
2週間後!
次は、今回のミーティングで掘り出された問題点のブラッシュアップ!
各自、問題点と課題解決方法をプレゼンしてくれ!
皆『はい!わかりました!』
そして、この戦略会議がいくただ繰り広げられてた。
とある朝
社長は車に乗り込み携帯でニュースを見ていた。
すると、
ライバル会社が、とてもそっくりなビジネスモデルを、
同業他社と協業しスタートを切るという驚きのニュースが上がっていた。
そこで驚いた社長は、
戦略室に連絡をし、
『あのビジネスはどうなってんだ?!』
と、怒りじみて電話をする。
すると、そこで同時にそのニュースを知ったまとめ役は、
社長の電話に出てこう言った。
まとめ役『はい!!ちょ!ちょうど今日社長にスタートを切るための相談のお伺いを立てるところでした!!』
。。。。。
。。。
この話が語っているのは、
選りすぐりの精鋭たちの永きにわたる分析と会議、
それに使った時間という価値をフル無視して、
最終的には社長のプッシュで、ビジネスのスタートを切る結果となったこと。
そう。
1番肝心な、
『ビジネスをスタート切るか切らないかを判断するに必要な道筋が見えないまま』
分析だけが進行した結果がこの有様だ。
意思決定のためには、
「どうやって結論を出すべきなのか(どのような情報が必要で、その情報がどのような場合に、どのような結論になるのか)」
を先に考える必要があり、
十分すぎるほどの情報を集めるのが先ではない。
会議などでよくある、全く結論がまとまらず、先に進まないこと。
あれは、意思決定プロセスにおいて、
「結論の出し方」が決まっておらず、
どのような情報が必要であるかが不明確だからこそ起きてしまう。
情報収集する前に、意思決定プロセス(基準)を明確にする。(ここが考えるポイントと言っても過言ではない)
それに合わせて情報を収集する。
そうすれば、情報収集に必要な時間を大幅に短縮できる。
また優秀な人ほど、
「知らないことを知ることで興奮してしまい、情報収集の罠にハマってしまう」
しかし、「考える」とは、
「何らかの結論を出した」「ある考えに至った」
という意味である。
「考える力」を最も効率よく身につけるためには、
「考える」時間を増やすことが重要である。
具体的には、30分でも1時間でも長く、「考える」時間を確保すること。
じっくり考えてる時間。
それは何かを結論づけるために使っている。
〜つづく〜