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721回目:ファスト&スロー〜プロスペクト理論〜損失回避性〜

問題です

どちらを選びますか?

  • A) 確実に900ドルもらえる
  • B) 90%の確率で1000ドルもらえる

さて、もう一問。どちらを選びますか?

  • A) 確実に900ドル失う
  • B) 90%の確率で1000ドル失う

プロスペクト理論

プロスペクトとは英語のProspectのことであり、期待や予想、見込みなどのニュアンスを持つ。「プロスペクト理論」とはリスクを伴う状況下での判断分析として、本書の著者ダニエルカーネマン氏らが1979年に公表した論文のタイトル名。 この論文発表後、プロスペクト理論は行動ファイナンスや行動経済学と呼ばれる心理学の要素を応用した新たな経済学の分野を切り開いたとして、2002年、心理学者にも関わらず、ノーベル経済学賞を受賞した。プロスペクト理論により、従来の投資効用理論では説明のつかない投資家の判断行動が現実に即した形で解明された。

結論から言えば、投資家は収益よりも損失の方に敏感に反応する。つまり、収益が出ている場合は損失回避的な利益確定に走りやすい。一方、損失が出ている場合はそれを取り戻そうとしてより大きなリスクを取るような投資判断を行いやすいとされる。 これをプロスペクト理論の「損失回避性」といわれる。

さっきの問題を分析してみる

一問目の答えは、多くの人は、「確実な利益」を求め900ドルをゲットする選択肢を取ったことだろう。その一方で、多くの人は「確実に900ドル失う」よりも、「90%の確率で1000ドルを失う」方を選ぶ傾向が強いとされている。この「ねじれ現象」がプロスペクト理論の真髄だ。本来「論理的な人」であれば、「確実に利益」もしくは、「確実に損」を選ぶはず。一方で、「ギャンブラー」は、「90%の確率で1000ドルの利益」もしくは、「90%の確率で1000ドルの損」を選ぶはず。だか、これが捻れる。ここがプロスペクト理論。「利益」は「確実性」を求め、「損失」は「ギャンブル」を選ぶ。そう。。損失を絶対したくない、、という心理は、「儲けたい」という気持ちよりも振れ幅がデカいってことだ。つまり、「おっしゃー儲かった」<衝撃度<「ぐぁー損した」ってことだ。その感情の振れ幅を表したのが下のグラフ。

これは、金融、商売、投資、ギャンブルなど、至る所に応用できる人間の真理をついた理論。さらに深掘りする。

①コイン投げに参加しますか?

  • コインを投げて、表が出たら200万円が手に入る。裏が出たら何も手に入らない。
  • コイン投げに参加しない場合、100万円が無条件で手に入る。

②あなたはゲームに参加しますか?この時、前提を加えます。あなたは200万円の負債を抱えているとする。

  • コインを投げて、表が出たら負債は全額免除される。裏が出たら負債総額は変わらない。
  • コイン投げに参加しない場合、負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる。

①のコインの質問に関しては、「コイン投げに参加しない」を選ぶ人の方が圧倒的に多いとされている。50%の確率で何も手に入らないリスクを回避し、100%の確率で確実に100万円を手に入れようとしている。しかし、①のコインの質問で「コイン投げに参加しない」を選んだほぼ全ての人が、②ではギャンブル性の高い「コイン投げに参加する」を選ぶことが実証されている。100%の確率で確実に100万円を支払うという損失を回避し、50%の確率で支払いを免除されようとしているわけだ。ねじれ発生。どちらの質問も条件は一緒なのに、利益を得られる場面ではリスクを排除しようとし、損失をこうむる場面ではその幅を最小限にとどめようとする。これが、プロスペクト理論「損失回避性」。

プロスペクト理論から言えること

ここから何が言えるかっていうと、「人間は損を確定させることが本能的に大嫌い」ってことだ。「損確定」の判断が出来ない。ビジネスの上では、「損切り」ができない。利益に対しては、ギャンブルしないで確実を狙いに行くのに、損に関しては確実を狙わずにギャンブルを狙う。「損」を確定させようもんなら、より良くなる可能性を信じ、「損」が最小化するように粘る。投資の上では、株価が下がって含み損が出ている時、「損切り」出来ない。もっと上がることに期待して「ステイ」を選択。結果的にもっと損する。FXやギャンブルで負債が大きくなるのは、この人間の心理「プロスペクト理論」で説明できる。それは、上の3つの質問で、俺はそうなんだ、、と証明されてしまった。反論の余地なし!

プロスペクト理論を用いたマーケティング

プロスペクト理論を用いたマーケティングとして考えられる商売は、例えば「制限付きポイント付与」だ。サイト会員に対して、誕生月のみ使える1000ポイントを付与する場面を想定してほしい。サイト会員にとって、1ヶ月以内に使用しなければ1000ポイントを失うことになる。ただし、サイトの商品平均単価は3000円前後だとする。もらった1000ポイントを使って買い物をすると結果的に2000円失うことになる。合理的に考えれば買い物をする方が失うものは大きいのは誰だって分かるのだが、

  • 「1000円安く買える権利を失うリスク」
  • 「3000円の損失を2000円で済ませられる価値」

を強く訴えることで、会員は自然と購買行動を起こしてしまう。

プロスペクト理論では、1000円の利得を失うデメリットよりも、損失を1000円抑えられるメリットの方が大きいと考えられる。したがって「制限付きポイント」をサイト会員に配布する際は、この権利を失うことのデメリットと、この権利で損失額を減らせることのメリットを強く訴えると良い。人間にはプロスペクト理論が備わってるからだ。この他にも「期間限定セール」や「閉店間際の半額シール」も、プロスペクト理論を活用したマーケティングだ。

まとめ

カーネマン先生。。。自分は、、、貿易の仕事してて、為替が悪くなってるときに、下手にステイを選んでさらに不利になり為替でめっちゃ損したり、不良在庫をずっとキープして損を確定できずにいたこともあります!まさに、この心理できた!!参りました!!すいませんでした!!

  • プロスペクト理論
  • 人間は無意識に負けるように出来ていた
  • 投資で勝つには、プロスペクト理論をコントロール

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