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備忘録

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618回目:嫌われる勇気

私よ。一旦落ち着け。

長い出張、リモートワーク、インド人とのやり取りと、日々の生活の中で時には、イライラしたりムシャクシャしたり、時には八つ当たりしたくなる事もある。冷静に相手の話を聞いていて『むむ?』と心で思って、今にも殴りかかってやりたくなることもある。でも、それをグッと堪えて、実務的にどうやって物事を解決してやろうかと、冷静さを保ち続ける為には、核となる自分の信念や考え方が必要だ。目の前であーだこーだごちゃごちゃいってるけども、ここで僕が感情的に拳を振り上げるよりかは、冷静にその物事を捉え、『果たしてそれは俺が解決出来ることなのか?』『誰かに頼むべきことなのか?』と実務的に考える視点がとても大切だ。感情剥き出しで、相手に言い返しても何も解決はしない。さらに言えば、相手の言ってることに対して、感情論で不意に落ち込んだとしても、それが自分が到底解決出来ないことであれば、それは単なる落ち込み損となる。まずは『事実』と『自分が対処可能なことなのかどうか』を冷静に捉えろ。

2年前、自分の中で冷静に物事を捉える為のヒントになったのがこの本、『嫌われる勇気』。今のところ僕の中でのベスト本。本書は心理学の三大巨頭であるアドラーの心理学を日本人カウンセラーが対話形式で説明してくれている。アドラー心理学を知ることで、今までの人生に対する価値観が変わり、日々感じるストレスが軽減されるかもしれない。それでは3ポイント紹介する。

①人はいつでも変わることができる

まず生きる前提として、「人は変われる」という考え方。よく人は、『過去の経験』を原因に、『未来の行動や目的』を決めてしまう。過去と未来は全く別であるにもかかわらず。

例えば、いじめが原因で引きこもる事や、親が離婚したから自分も離婚しやすいなどの「行動と理由」は、過去を言い訳にして現状維持を望んでいるに過ぎない、という考え方。『昔はこーだからさ』『今まではこーだからさ』だから、『未来はこーなるにきまってんじゃん』と、過去の体験や歴史を理由に、変わるはずの未来を変えようともせず、現状を維持する言い訳にしている。悲劇のヒロインを演じている。過去を言い訳にしている。

過去に辛い経験や大きな失敗があったとしても、行動次第でいくらでも好転できる。

過去は過去、未来は未来。過去に起きてることは言い訳にならない。つーか、未来は何が起きるかわからない。分かるのは『今』出来ることしかない。

②全ての悩みは対人関係である

本書の中でも特に重要な考え方。人間の全ての悩みの根源は全て対人関係であるという事。そしてそれは、相手に認められたいという承認欲求が逆にストレスを増大させる。では、どうすれば解決されるのかというと、

課題を分離して考えろ。

つまり、大体の課題は自分に関係ないものであり、自分の課題と相手の課題を明確にするべきだということ。他人から認められたい承認欲求を捨て、自分の課題にのみ向き合えばいい。

例えば、目の前で、自分に文句言ってくる人がいるとしよう。それを全てそのまま受け取る必要はない。その相手が言っている内容をよく聞いて、『自分が対応出来ること』『自分ではどうしようもないこと』を明確に分離する必要がある。自分が認められたいという承認欲求が、その課題の分離をする上での判断を鈍らせる。

こんな経験はないだろうか。上司や先輩から色々文句や叱咤を受けて、『なんでちゃんとやらせないんだ!』『なんでそれを早くやっておかないんだ!』と言われたとしよう。そうすると、、一見ものすごい怒られている自分が、凄い悪いことをしたかのように凹んでしまいそうになるが、冷静に課題を分離してみよう。

  • なんでちゃんとやらせないんだ?→実際はやらないやつが悪いわけだから→自分は今度、ちゃんとやらせるようにするにはどうしたらいいか考えよう。
  • なんでちゃんとやらせないんだ?!って怒らずに、今度からちゃんとやらせられるように考えて指示を出せ!って、あなたは私に怒るなら合理的です。。。と客観的にそのシーンを俯瞰する。
  • なんでそれを早くやっておかないんだ!?→もう過去のこと。過去は変わらない。→自分は今度、未来を変える為にはどうしまらいいか考えよう。
  • なんでそれを早くやっておかないんだ?!って怒らずに、今度からそうならないようにどうやったら早く出来るのか考えて行動しろ!って、怒って来るなら合理的です。。と客観的にそのシーンを俯瞰する。

瞬時にこんな感じで、実務的に『自分がすべきこと』を中心に合理的に物事を捉えられれば、相手の感情に左右されずに、目的に対して、少なくても自分は迷わずに走り抜くことができる。承認欲求があると、つまり相手に認められたい思いが強すぎると、相手の感情をなんとかしようと画策したり、逆に期待に応えられなかった自分が全て悪いかのように凹んでしまい、本来やるべきことの物事の本質を見抜けなくなる。

好かれようとする承認欲求をすてろ!嫌われる勇気を持てってことだ。

では、他人とは、どんな関係を築くべきかというと、タテではなく、ヨコの対等な関係を築くべきだ。具体的に言うと、褒めるのではなく、感謝をするべきである。なぜなら、褒める行為は自然とタテの関係を作り出し、承認欲求を求める相手を逆に生み出してしまうから。

例えば、上司が部下を褒めるってのは、褒めた地点で相手を下に見ているって証拠。上司が『すごいねー!頑張ったねー!えらい!!』って、言っきた瞬間に、主従関係がそもそも出来ちゃって、無意識のうちに上下関係が形成される。その結果、部下となる相手に、上司に認められたいという承認欲求を持たせてしまう。つまり、余計な気を持たせてしまう。仕事の本質を見抜かず、褒められたいという欲求で仕事をさせてしまう。だから、本当のいい上司ってのは、部下が成功したときには、『ありがとう!!』と言ってあげるのが部下にとっては1番パワーがあると言われている。余計な気を起こさせない。これは、心理学の本ではよく言われていて、今となっては基本の心構えとなっている。※いろんな本にこれはめちゃくちゃ書いてある。

経営戦略上敢えて演じるのはいいかもしれないが、本当にお互い幸せに生きる上では、ヨコの対等な対人関係を作るべきである。

③幸福とは他者貢献である

最後に幸福とは他者貢献であると提唱している。なぜなら、他者貢献こそが1番の共同体感覚を得られるから。共同体感覚とは何かと言うと、仲間に貢献できている感覚のことを言う。

人は誰かの役に立つ事でしか、幸せを感じられない

どんなお金持ちも仕事を続けたり、支援活動をしているのは、他者に貢献する為だそうだ。そして、他者と競争する事も無しとされている。なぜなら、競争する事は他者貢献する共同体感覚とは異なるため。他者と競争しない為には、まず自分が特別ではなく普通の人間であることを自己受容する必要がある。そうすることで、競争意識が薄れ、他者を信頼でき、他者へ貢献できるらしい。

これこそが幸福に生きる為の考え方という訳です。

最後の方は、実は、、僕もこの意味を心底理解していない。つーか、なんか宗教っぽくなって、自分で書いてて怖くなってきた。なので、3番目は、一体この本は何が言いたいんだってのをもっと理解して、分かりやすい例えにできるまでは自分の宿題にしておこうと思う。

『嫌われる勇気』自己啓発の源流

今回紹介したアドラー心理学3つの教えをまとめた。

アドラー心理学3つの教え
 ①人は変わることができる
 ②全ての悩みは対人関係である
 ③幸福とは他者貢献である

以上が『嫌われる勇気』に示されている、幸福に生きていく考え方。先進国の豊かな国でありながら、幸福度の低い私たち日本人がぜひ読むべき一冊

賞罰教育(偉いね!すごいね教育)を受け、褒められるべく、人の目を気にして生きる私たちには、嫌われる勇気が足りないのかもしれない。もう生まれた頃から植え付けられている。なので敢えて、自由に自分の進みたい道を歩む為にも、ぜひアドラー心理学を取り入れてみては。

『他人の評価なんて、どーだっていーや。んで?実務的に俺が出来ることはどれだろう?』って言う状態が、実は、1番自由で、1番生きてて楽しい状態。そして、1番自分のパフォーマンスが良くなる状態である。これがアドラー心理学『嫌われる勇気』の核となる部分。他人からの評価なんてクソ喰らえ。

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