2014年発売。
凡人に残された最後の思考法と言われたビジネスマン必読書。
エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考
非エッセンシャル思考法:
上司から言われたことや、とりあえずやってみろということに対して、
何も思考を挟むことなく実行に移す思考法。
手数を増やしてとりあえず全部やってみることに対して美学をもつ。
成功のパラドックス:
- 非常に仕事に熱心に打ち込む
- 成果が出始める
- 人からの依頼が増える
- 仕事が増える
- それでもやれる自負がある
- やり続ける
- 実際そんなに全部やれない
- 結果的に全部中途半端になってしまう
- メンタルキャパや時間は無限ではない
- 無理がかかって成果が落ちてきてしまう
という流れのこと。
キーワード:
- やらないよりやったほうがいい
- やってみなきゃわからない
- とりあえずやってみろ
エッセンシャル思考:
やって見る前に、実際に本当にその仕事は重要なのか、
芯を食っているのか、成果を残すことができるのかを考え、
急所を抑えて仕事を選ぶ。
つまり、捨てるものは何なのかを選ぶ思考法。
パレートの法則
パレートの80対20の法則。
本当に大事な仕事とは、全体の20%と言われている。
更に、会社の80%の成果は、20%の人によって生み出されている。
つまり、80%の人は、実は結果に結びつきにくい仕事を行っている可能性が高い。
エッセンシャル思考を実践する
一旦立ち止まって考える。
会社の中で、パソコンをカタカタ忙しく叩いていたり、
電話をガンガンかけている人が居るとしよう(A)。
また、一方で、ノートとペンを持ちながら、
ずっと考え込んでいる人が居るとしよう(B)。
この2人を見たときに、上司や周りは一見して、
(A)の方が仕事をバリバリやっているかのように見えてしまう。
しかし、実際はどうか。
かつて、万有引力を導き出したアイザック・ニュートンは、取り掛かる前に、
一人で籠もって物事を考え込んでいた時間が多々あったらしい。
もちろん、現代社会で上司から言われた仕事を断るというのはとても難しいことではあるが、
少なくても、それを受け取った部下は一度立ち止まって、その仕事の本質を見極めて、
80%の無駄な仕事にしてしまわないように、
考える必要がある。
決して、即動くことが美学ではない。
特に、現代の情報化社会故に、一度立ち止まって考えるということがとても重要とされる。
非エッセンシャル思考とエッセンシャル思考の情報収集の仕方
非エッセンシャル思考:
相手が語っているすべての情報を取り入れようと努力し、情報の渦に巻き込まれてしまっている。
また、権力のある人、声が大きい人、の声を取りいれがち。
エッセンシャル思考:
すべての情報を取り入れず、部分的にかいつまんで情報を収集する。
90点ルール
その仕事を評価し、果たして成果がどれほど出るのかを、
会社の視点と自分の視点で一度立ち止まって考えて、
その仕事が90点以上であればすすめる。しかし、それが90点以下であれば上司に相談をする。
しかし、サラリーマンたるもの、90点以下だからといって上司に相談をしているうちに揉めて、
結果的に更に時間の無駄になってしまう可能性がある。
大事なのは、一度立ち止まって考えること。
完全に明確にすること
非エッセンシャル思考になってしまう傾向になりがちな原因は、
その仕事の目標が曖昧であるから。
どこを目指すのか、何を目指すのか、何に到達したら目標を達成したと言えるのか。
その仕事の目標、個人の目標、道筋、予定を明確になっていないから、
雑多な仕事、無駄な仕事、とりあえずやってみるという仕事に着手してしまう。
断る事によってどのようなメリットが生まれるか
断るというのは特に仕事をしないというわけではない。
最高のパフォーマンスを出すため、ビジネスで成果を出すために断っている。
一番陥りがちなのは、上司から気に入られることだけを考えて、すべて鵜呑みにして首を立てにふることだ。
実際上司からしてみたら、その部下はなんでも屋に成り下がっており、成果をそこまで期待されていないかもしれない。
とりあえずやらせておけばいい。
といういうように。
こうなったら抜け出せない。
- 仕事が降ってくる
- 首を立てにふる
- 80%の成果が出にくい仕事が増える
- 忙しくなる
- 成果は出にくい
- 結果的に評価も上がらない
- しかし仕事は振ってくる
このスパイラルは、絶対に避けなければならない。
しかし、何でもかんでも断るというのは非常に日本のサラリーマンには難しい。
とはいうものの、何も考えずに首を立てに振るということは絶対に避けなければならない。
最低限まずは自分で一回時間をかけて考えなければならない。
また、上司としても、その仕事のフリ方を考えなかればならない。
エッセンシャル思考のチームを作る
一人ではエッセンシャル思考は実現できない。
なので、エッセンシャル思考チームを作り上げる必要がある。
仕事を依頼する際に、振られる側は、振る側の思考を見ている。
その仕事は、こういうゴールを見ている、なのでこういう期限がある、よってあなたが適任と考えている・・
ということを振られる側に明確に伝えて動かす必要性がある。
論理的にはなんとなく分かった・・・・
これは実践するのは非常に難しい内容だ。
いかんせん、私は10年間ミスターサラリーマン。
基本、やりますスタイル。
とはいうものの、今インドで仕事をしているが、
実際インド人の方がこのエッセンシャル思考って備わっている気がしなくもない。
たまに疑問に思う日本の仕事スタイル。
20世紀を支えた高度経済成長は、非エッセンシャル思考でも発展できたのかもしれない。
しかし、今の日本の仕事の仕方に疑問を持つ自分としては、
新たな刺激となった。
是非とも一読してみる価値のある1冊。