フィアンセをデートに誘う
インドに住む私のフィアンセ、北京のDちゃん。コロナの影響をもろに受け、2年間直接会えていない。中国で国際結婚の籍を入れるにしても、インドにいる私は一度日本に帰国し、独身証明書を入手し、そして中国へ行く。その後、再度日本に戻り、国際結婚の手続きを踏み、インドに戻ってくる必要がある。ただでさえ、中国にビジネス目的以外での渡航が許されていない今、仮に許されたとしても、真面目に各地で隔離を行いつつ結婚の手続きを踏むとインドに、戻ってくるまでに2ヶ月はかかるという恐ろしい状況だ。でも、せめて会いたい。そんな思いがある中、私はフィアンセをデートに誘っている。
私「Dちゃん。デートしようよ」
Dちゃん「え?どうやって??」
私「メタバースの仮想世界の中で会おう!」
Dちゃん「え?」
メタバースとは
「メタバース」とは、メタ(meta=超越した)、ユニバース(universe=宇宙)を組み合わせた造語で、仮想空間の中でさまざまな活動ができるようになる技術のこと。
2021年にフェイスブック社が社名を「メタ」に。メタ社は、2004年の創業開始後、2014年にVR機器会社オキュラスを買収、そして、2021年に社名をフェイスブックからメタへ変更し、メタバースの世界へ本格的に舵を切る。
2020年時点でメタバース関連の市場はすでに5.5兆円に達しており、28年には100兆円規模の市場に成長するとの試算がでている。この「メタバース」の黎明期の現在は、インターネットが始まったときの黎明期とかなり酷似しているようで、「インターネット2.0」とも言われているほど、全く新しい世界の始まり。
これを後押ししているのはコロナウイルス。人に実際に会えなくてもなんとかなる事がわかり始めた、でも、実際に会うことの重要性も分かった、ただ、それもまだ制限がされている現在の世界。なので、そこで生まれたこの新しい世界、つまり、仮想空間で、現実世界に近い形での新しいコミュニケーションのあり方がこの「メタバース」というわけだ。地球という実際我々が生きている世界の中と同様の世界が、バーチャルの世界にもう一個出現する。人はその仮想世界の中で、「アバター」というもう一つの自分をバーチャル空間の中でつくり、その世界の中で、ビジネスや、会議、ライブ、デート、そして結婚、、、、現実世界で生きていることとかなり似通ったことを仮想世界で出来るようだ。すごい驚いたのは、メタバース内で結婚手続きを完了させたら、それが現実世界にも反映されたり、メタバース内で遠隔医療が行われたらするなど、仕事だけではなく、私生活にまで浸透して、仮想世界と現実世界が混同する世界がやってくるらしい。
例えば
これは、メタバースの中の渋谷だ。この世界の中に、世界中の人たちが入り込みハロウィンを楽しんだらしい。この世界は、私が仮にVRカメラの電源を切ったとしても、メタバースの世界は停止せず、現実世界同様その中の世界は時間と共に経過する。ゲームの中の世界というだけではもう無いのだ。多分だが、インドにいる私と、中国にいるDちゃんは、お互い各地からVRカメラを接続し、メタバースの世界にはいってくる。すると、その世界の中で合流することが出来る。
ちなみに、これが、ビジネスの現場で当たり前になると言われている会議の感じだ。世界中から集結したメンバーで会議が行われる。
昔は、家でVRゲームに勤しむ人に対し、「オタク」「ネクラ」などのイメージを持つかもしれない。でも、まったくもってそういう状況ではなくってきているようだ。なぜなら、現在メタバースの世界の中では、土地の売買も行われており、投資家や芸能人、そして大企業も参入し、メタバース世界でのビジネスも行われ始めている。
数千年前、地球は誰の持ち物でもなかった。それが、とある瞬間、誰かがその土地を私物化し、その土地に価値を付与するようになった。そして、その土地を使って産業が生まれ、経済が発展した。それと同じことがメタバースの世界で起きているのだ。なので、「地球の裏面」と言われている。
下記の動画は、アパレル産業がメタバースの世界に参入していているというニュース。これを見ると何が起きているか分かり易い。
メタバースデートに誘う
Dちゃん「メタバースって何?」
私「中国でも2022年のトレンド入りしているITワードだから、中国語で調べてみな!」
Dちゃん「何このVRカメラ?」
私「そのVRカメラを使って、メタバースの中に入ってくると、一緒にデートできるんだよ!!」
Dちゃん「へーー・・・・今、実家で鳥の丸焼き食べてるの。美味しい」
私「・・・・・・」