今日も釣りに行く。
昨日は「鯉」をターゲットに釣りに向かったが、本日は、「スネークヘッド」を狙いに行く。スネークヘッドとは、日本では雷魚として親しまれている淡水魚。無論、我々が制作した釣り竿「INDRA」を担いで向かう。アルンのバイクの後ろにのり、彼の親戚のヤングマンたちと一緒に、スネークヘッドのスポットに向かうが、その道中はディープインディアと言わんばかりの「石器時代」のような佇まい。言うまでもない。こんなところに日本人が来たことは無い。
彼の実家からジャングルを抜け皮に向かう道中
その道中をバイクの後ろから撮影した。そして、スネークヘッドのポイントへ。
残念ながら魚は釣れなかった
残念ながら魚は釣れなかったが、初めて「スネークヘッド」を狙った魚釣りを体験できた。現在、既存の釣り竿「INDRA」の続編として、新機種を開発しており、その一つが「スネークヘッド」狙いの釣り竿。自分もその製造に携わっているのにも関わらず、「スネークヘッド」の釣りをやったことがないというのはありえない。なので、釣り名人のアルンくんから、スネークヘッド釣りのノウハウを伝授してもらい、その概要全体を把握することが出来た。やっぱ現場だ。また、彼と一緒に釣りにいき、色々教えてもらいたい。
こんなことばっかりやっていると、「それ仕事?」と思われることも多々ある。しかし、「魚釣り」という趣味の領域が、ビジネスにもリンクするので、このチャンスを使って、いろんなジャングルに入っていったり、インドの奥地に入っていけるので、旅行、特に「バックパッカー」好きの自分にとってもこの上ない面白い仕事だ。釣りの仕事に携われたのは、本当にラッキーだ。よく商社マンの我々はこのように教えられる。
「仕事があるからそこに行くのではなく、そこに行きたいからその仕事を作る」
まさにそれだ。また、ポイントから戻る際にも、インドの超ローカルの村を通って彼の家に戻る。その道中も衝撃映像になると思ったので、これまたバイクの後ろから動画を撮った。ここは、まだ産業化が進んでおらず、インドの中でもかなり「石器時代」に近い文化が残っている。その道中、彼はインドの「カースト制度」のことや、インド政府の農民たちへの補助、政府への不満、そして、教育制度などなど沢山の文化を教えてくれた。かなりシビアな内容なので、ここにはあえて書かず、私の心の中にしまっておこうと思う。
家庭訪問終了
これにて、「世界ウルルン滞在記」並の家庭訪問が終了した。昨晩無事にコロナ感染が大爆発のさなか、ムンバイの自分の家に到着した。今回自分がやったことはきっと、アルンにとっても大きな意味を持つに違いない。インド人にとっては、自分の生活や背景を上司に見てもらうってことは、めちゃくちゃ価値のあることだとは、本を呼んでいても察していたものの、それ以上の価値が合ったと思う。彼は、要はこの村から出た「エース」なわけだ。教育熱心な家族から育てられ、自分で勉強し、そして釣りの仕事のチャンスを得て、日系企業に就職し、ムンバイへ出稼ぎに来たようなイメージだ。
彼の友人たちとも盃を交わした際に感じたことがある。ここは超ド田舎。村の人達はまだまだ外の世界を知らない。そして勉強もしない。目の前の仕事をゆっくりやって、その日暮らしの仕事をしている。そんな中、村のエース、アルンくんはこの度ムンバイから帰省し、その外国人の上司を連れてきた。彼は、私を使って、彼らに「外の世界を見てほしい」と伝えたかったのかもしれない。それをこの旅を通じて汲み取った私も、村のみんなの前で、「アルンはムンバイに来て、私達と仕事をして世界が広がった。これから私は彼とムンバイに戻り、もっと大きな仕事をして、いろいろな世界を見たいと思う。だから、みんなもどうかそのチャンスがあるということだけは忘れないでほしい!」と、酒の力も借りて激アツスピーチをしてしまった。これで、アルンくん自身も「面子」が保たれ、更に、仕事の後押しとなることだろう。彼の今後の成長をまた見ていきたいところだ。
最後に
スタッフの家に行く。そして、その国の文化のめちゃくちゃ深いところまで入る。その文化にどっぷり浸かり、同じものを食い、同じように生活する。※特に飯を一緒に、同じ様式で食うのが相当破壊力ある。これが、インドで仕事をする上で、最も部下との信頼関係を築ける方法だと思った。なぜかというと、日本人がインド人のことを「全く違う人種」と思うように、インド人も日本人をそう思っている。なので、大きな壁が存在している。その壁を簡単にぶっ壊せるのは、「飯」だ。
ただでさえ壁のある日本人とインド人。その上司と部下。だからただ単に、「仕事をしろ!」っていうだけでは心から響いていない。彼らの文化を理解した上で、部下たちが私に何を求めているのか、私を使って何をしたいのかを明確に汲み取り、それを実行してあげることで、更に私と一緒に仕事をするようになる。そんな気がする。次は、誰が私を実家や自宅に誘ってくれるだろうか。日本と決定的に違うのは、インド人はボスを家に招待することは、かなり一大イベントで名誉あること。私にとっては、その間ほぼ旅行して遊んでいるようなものだが、結果的には将来的に仕事を円滑にするための最善策だと感じた。次、別なスタッフに誘われたら迷わず、「OK」と二つ返事で答えると思う。