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備忘録

Indianlife

748回目:釣竿「Indra」大爆発

インドはのび代がある

そんな風に世間ではよく言われているが、一体それはどう言うことなのか。ニュースを見ていると、ガンガンインフラ設備投資が行われているのを目にするが、その「ポテンシャル」ってもんを実感する機会は得られないものだ。しかも、GDP成長率も停滞し経済の発展性がなかなか見込めない、「失われた二十年」とすら揶揄される日本で育ち、バブルも経験していない自分ら世代は、「ビジネスのポテンシャル」と言う言葉は、いわば漠然としていて実感が湧かず、それを肌で感じたことはほぼ無いに等しかった。

しかし、現在インドで仕事をするようになって早2年が経とうとしている今、少しずつ、小さいながらもその「未開拓」を開拓した結果が出始め、今まで経験したこともないような「小さな成功」と「大きなポテンシャル」を感じ始めている。

インド用オリジナル釣竿が大ヒットした

日本で仕事をしているときは、いわば仲介人として、日本のお客様が作りたい物を受注し海外で生産、そして輸入を行う仕事をしていた。やりがいはあった。だが、決定的なのは、「市場を自分で開拓する」というポジションではなく、自分の売上は「自分が付き合うお客の動向」に左右された。

一方で、現在インドで行っているのは、「自分らによる市場の創造」だ。我々インド店が日本の釣竿メーカー「メジャークラフト」のインドのエージェントとなり、現地企業とインドの釣具店を共同でオープン及び出資、そしてその店と一緒にインドモデル「Indra」の釣竿をオリジナルで生産し、そのモデルのブランドネームを自分たちで考案、インドにで商標登録。YouTubeプロモーションも、動画作成も、新聞広告掲載も、ポスター作成も、自分達で行っている。もちろん、はじめての事ばかりでわけわからんことが山ほど起きた。

この手作り感満載の釣竿プロジェクトは、当初500本から発注していった。売れるか分からない状況からのスタートだったにもかかわらず、結果はなんと大爆発。インド入荷する前からブッキングされ、入荷と同時に即日出荷という大反響で、結果的に半年で初回オーダーの5倍を発注するところまで規模が拡大した。予想を遥かに超えるハイペース。。。発注当初は、「何本売れるかわからんすね。。」「怖いっす笑」と、ボスと会話をして、誰も分からない未来に向けて発注数量一緒に決めたのを覚えている。

こう言う仕事は、日本でやっていたのとは全く違う。やるのもやらないのも全ては自分たち次第。発注数量を決めてリスクを張るのも自分次第。時期に合わせて自分達でMDを組み、行けると思えば自分達で数量を増やして発注する。その分、売れなかったらまたこれも自分達へ。。ただ、こういう風に、お客やメーカーの動向に左右されず、自分たちの手中にあるって感覚は、今まで経験したことがないかなり貴重な経験だ。この上なくめちゃくちゃ気持ちがいい。いい意味でお客の言いなりではない分余裕も出る。大幅に予想を超えてくるインドの爆発力。これは、やばい。

ボスがいたから

こんな風に書くと、あたかも俺が仕掛けて成功させたように見えるが実は違う。インドに俺が駐在したときには既にその組織は出来ていて、俺はそのレールを歩き、プロジェクトの進行の背中を押したにすぎない。シンガポールのボスと、インドのボスのおかげで私はこの体験をした。こういうゼロから開拓していくプロジェクトを、インドで指揮できる立場にあるのは、かなり貴重な体験で、こういう「小さな成功」の積み重ねは、自分自身に自信をつける。その機会をくれたボス達には感謝したい。

インドのポテンシャル

そして、体験した。「ポテンシャル」って感覚を。確かに、金額としてはまだまだ生まれたばかりの子供のようなビジネスの規模感だ。しかし、その子供は、柱につかまりながら立ち上がった。俺は、歩き始めたその子供が走り始めたと思いきや、既に100mを9秒台で走ってるじゃん、、ってのがインドではあり得るって感じを捉えた。

駐在して早くも2年が経った。恐らく残りは3年ほどか。不味いぞ。これは時間が経つのが早い。

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