問題5:15歳未満の子供は現在世界に約20億人います。国連の予測によると2100年には子供の数は約何人になるでしょう?
A40億人 B30億人 C20億人
参考程度にこの表をみてみるとする。ちなみに、これは国連のデータに基づく数字が1つだけ。そして、一般人の正解率は15%だった。私の答えは「B」。日本の人口は減り続けるのに対し、インドや中国の人口は増え続けるわけだから、30億人くらいかな・・?
直線本能
人間は、今ままでの過去の数値が上昇傾向の表を見せられたときに、「未来も上昇し続ける」という錯覚、いわゆる「直線本能」を持っている。地球の人口増加の表をみたときに、我々は、「この先の未来は地球は一体どんだけ人口が増えるんだ・・・」と、めちゃめちゃ不安になる。
この表だけをみると、未来めっちゃ人口が増えそうなイメージを持ってしまう。だが本当にそうか。国連の分析によれば、2050年までは人口は上がり続けるが、それ以降は高止まりする予測が出ている。なぜか。人口増加は、「経済発展」と相関関係がある。これはなんとなくイメージがつく。経済発展により、適切な医療を受けることができるようになり乳幼児の死亡率が低下し、避妊の教育がなされ妊娠率が減少する。つまり、地球の経済発展が皆足並みが揃って、たくさんの子供を産まなくても大丈夫な時代がもうそこまできている。昔の日本が、大家族だったのに、今は核家族が進み、さらには結婚時期も遅れているように、経済が成熟すると、子供の出生率がどんどん下がっていく。下は国連による人口増加予測グラフだ。
人口は2100年まで増え続けるものの、子供の割合はもう増えない。子供が増えないし、人口は増加し続けるってことは、「人は死ななくなる」ってことだ。だが、そもそも子供の割合はもう増えないので、全人類の人口増加も2100年付近で高止まりする。問題の答えは「C」20億人で、子供の数は増えない。人間は、過去の経緯で「上昇傾向」のグラフや表をみると、「安易」に「未来も上昇し続けるだろう」という錯覚に陥る。高止まりすることも、急落する可能性もある。だが、そう認識できない。人間の「直線本能」がそう認識させない。