2023年06月30日
ケニアのナイロビで調査
我々は国の補助金を得て「実証前調査」を行っている。何のための調査かは明かせ無いが、その調査目的でナイロビに来ているわけだ。単にサバンナでライオンの写真を撮っているわけではない。私は仕事をしに来ている。
その実地調査を行っている最中、私はケニアの周辺情報も知る必要があると思い、実際ケニアに住んでいる日本人にもお会いしてみたくなった。そこで、ケニアに住んでいる日本人の方々にもアポを取ってもらい、そこで聞いた事も踏まえて、ケニアのナイロビってやつを少し記録を残しておく。
アフリカ最凶三大都市
「ナイロビの治安は安全ですか?」
と聞けば、皆口を揃えていう。
「夜の外出は禁止」
「どんなに近くても移動は基本車」
と・・。
いや、まさかな・・・と思いつつ、ネット情報を確認する。すると、気になる文字が・・・。
「アフリカ最凶三大都市」
アフリカには、3大凶悪都市というものがあるらしく、厳選された三つとは、南アフリカのヨハネスブルグ、タンザニアのダル・エス・サラーム、そして、ケニアのナイロビだ。
「え?ナイロビ?」
この情報を、まさかナイロビのホテルで寝っ転がりながら知ることになるとは。
現地に詳しい日本人に聞いてみる
一緒に同行しているケニアに精通したT氏に話をしてみる。すると、T氏曰く、彼がケニアに最初に渡航した30年前は、
「1ヶ月に2、3回は彼の近所で銃撃戦が起きていた」
とか、
「アメリカ大使館にアルカイダが攻め込んできて爆破テロが起きた」
とか、背筋が凍る事件が起きていたらしい。
「いやいや・・マジでやばいところにいるじゃないっすか・・・笑」と、笑いながらリアクションするが、T氏の目は笑っていない。彼は真剣に30年前のケニアの事実を教えてくれた。
しかし、ケニアの政治も変わり、現在はだいぶ治安は良くなだだそうで、そういう事件は発生していないらしい。ただ、今でも夜の移動や、昼間一人でぶらぶらするなどの行動は、絶対に控えた方がいいと念を押された。東アジア人(日本人、中国人、韓国人)は、アフリカ人から見て、「めちゃくちゃお金を持っている」と見られており、主に「スリ」や「ひったくり」のターゲットとなりやすいのだ。
なので、「日中行動する」「基本車で移動する」「歩くときは手ぶら」「携帯はポケットに」と、最低限の安全管理をしておけば、だいぶリスクは軽減されるとのことだ。
ケニアの日本人事情
ケニアに住んでいる外国人の情報も聞いてみた。
現在ケニアに住んでいる日本人は約500人(ほぼナイロビ)。大手商社はほぼ全社揃っているものの、三菱商事や三井物産の駐在員は2−3名しか駐在していない。この大手商社組の中で最も駐在員が多いのが豊田通商の12人。日本の機関として最も数を占めているのがJICAの職員のようだ。インドで言えば、国全体で日本人が約1万人(デリー5−6000人、ムンバイ500人、アーメダバード200人)住んでいると言われているので、それと比較すると、まだまだケニアは少数派駐在先である。さらに、日本人学校も近隣にある。
ただ、現地に住んでいる日本人の方曰く、韓国や中国からの駐在員が増えており、日本人駐在員以上に富裕層として生活しているようだ。故に、現地で商売をしている日本人曰く、日本人がターゲットと言うより、韓国人や中国人の駐在員の方がむしろお得意様になりやすいとのお声も。中国、韓国勢の駐在員は、ナイロビでも、ベンツなどの高級車を乗り回しているらしい。それだけ、韓国、中国の駐在員のケニアでの生活レベルが高いことも伺える。
ナイロビは都会化が進んでいる
凶悪都市と言いつつも、ケニアのナイロビは都会化が進んでいる。街の中は緑が多く、かなり綺麗な街並みだ。ハッキリ言って、ムンバイよりも断然綺麗だ。ゴミが余り街に落ちていない。さらに、高速道路も建設され日本食も美味い。一方では、アフリカ最大のスラム街「キベラスラム」も広がっており、貧富の差が大きく広がってきている。(下記写真:アフリカ最大のスラム「キベラスラム」)
また九月戻ってくる
私はまた今年の9月にここに戻ってくる。観光もするだろうが、これは「出張」だ。ちゃんと成果が出るように、真面目に仕事もする。ケニアを知れば知るほど、
「インドも良いが、ケニアもかなり居心地がいいのでは」
と、薄々思い始めている自分もいる。完全に感覚が人とズレ始めている。一種の「悟りの境地」に入っている気がしてならない。
また、次回!