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備忘録

China Indianlife

849回目:地獄のビザ取得

2023年4月25日の備忘録

妻に会いに行く

2023年になり、私は戦っていた。何と戦っていたか、それは、ゴールデンウィークに妻に会いに北京に向かうべく、ビザの取得と戦っていた。

2023年初めの頃、ムンバイで中国行きのビザをどうやって取ったら良いのか全く手掛かりが無かったのだ。2022年から何度か問い合わせをしていたが、会社のビザエージェントに聞いてもよく分からない。2月に日本に出張で帰国した際に中国ビザを申請しておけばよかったのだが、スケジュールが満タンで、日本での中国行きのビザを申請してる暇がなく、こうなったらムンバイで取るしかないと賭けに出た。

しかし、会社のメンバーは勿論誰もわからない。「日本人が」「インドのムンバイで」「家族ビザを申請し」「中国へ向かう」というこのコンボは、誰もやったことがなかったのだ。ネットで調べても、エージェントに聞いても、明確な答えは返ってこない、ボヤッとした手順のみ。

そして、4月26日のフライトに備え、私は3月半ばに、やっと、規制の緩和にも助けられ、不明瞭な点は有りつつも、何となく手順を探り当てビザの申請を行った。

インド・ムンバイの中国ビザセンターには、エージェントは仲介できないことも知り、私は、自分で申請用紙と必要書類を作成し、そいつを握りしめて、自分で申請しに行った。全てが手探り状態だ。正解がわからない状態だった。

地獄の中国ビザムンバイセンター

3/中旬私はビザセンターへ向かう。

アポの時間通り13:00に入った。しかし、私の順番が来たのは15:30。2時間半待ち。アポとは一体なんの意味があったのだろうか・・。中では、携帯の使用は禁止され、下界とのコンタクトはシャットアウト。ところどころでは、インド人がビザセンターと揉めており、中々先に進まない。半分カオス状態だ。

しばらくして、私の順番が来た。

書類のチェックに入ったものの、早速、書類に不備が発覚し、有料のスペシャルルームへ通される。

「書類の不備って・・・だったら、ちゃんと説明しろ!」

と、ビザセンターに文句も言ってやった。そう、ウェブサイトの説明が、曖昧で分かりにくいのだ。案の定、間違いが発覚し、有料の部屋へ促される。プリントアウトを依頼するだけで3500円。足元見やがって・・こうやって金をむしりとるんだな途上国は・・・。日本の中国ビザセンターで不備が発覚した際には、仕事中で電話に出れなかった私の代わりに、わざわざセンターが実家に電話をかけてくれて、対処方法を両親に説明してくれて、無事ビザが発行された。これが、日本と途上国のサービスの違いだ。

スペシャルルームでも一悶着があり、漸く身柄を解放されたのは18:00。なんと、申請だけで5時間もかかった。

マジで精神崩壊しそうだった。

ビザ「リジェクト」

数日後、預けたパスポートを取りに行く。そして驚愕した。なんと、

「ビザが拒否」されたのだ。。

愕然とする私。その理由は、「中国からの招待状が入っていない」とのこと。「いやいや。あったし。てか、ビザセンターの人ちゃんと俺の書類見て、オッケー言ってたじゃん!」と、怒り狂いそうになった。言うまでもない、その場でめちゃくちゃ文句言ってやった。

そんな文句が通るわけでもなく、妻に連絡。愕然とする妻。さらに、事務所に戻って部下たちもその報告をする。「マジすか?」と、騒然とするオフィス。

しかし、私は、朗報を聞いていた。「3/15からの規制の緩和で、日本人は15日以内の滞在ならビザ無しで入れるよ」と、拒否された際に、”中国ビザセンター”から聞いていたのだ。「だから、大丈夫!もう、あんなところ2度と行かんわ!俺はビザ無しで行く!」と豪語する私。

家に帰り、更に驚愕

家に帰る。

まさか。。と思いファイルをみる。というのも、スペシャルルームで書類の修正を受けた際に、

「もうこれ要らないよ〜」

と、返却された書類があったのだ。まさかと思い、その中身をみる。すると、、書類と書類の間に。。

あった。招待状・・。

「招待状あるじゃん。。あいつら、ご丁寧に返却してるじゃん。。」

再度、怒りが込み上げる。

そう、ビザセンターも書類をチェックしているようで、ちゃんとチェックしていない。ざっと見て、「はいこれ不要〜」と、気軽に私に返してきた書類の中に、本当に必要な書類が紛れ込んでいたのだ。

ありえん。

こいつら、マジで当てにならん。

そして、頭を過ぎる。

アイツらが言っていた「ビザが不要」というのも信用ならん!!

そう疑いを持ち始めた私は、「日本のニュース」、「在北京日本領事館」「在日本人中国ビザセンター」「中国に居る駐在員」「中国のビジネスパートナー」と、色んなツテと、組織に何重にも確認した。

そして、わかった。

やっぱり、「ビザ必須」

ということ。

危ねぇ・・・「ムンバイの中国ビザセンター」が言ってた、「日本人はビザ無しで中国入れる」なんてのは、全然間違い。私はビザがいる!このまま行ってたら、入国が普通に拒否されるところだった。これだから、発展途上国の国の組織ほど信用ならんものはないんだよ・・・本当に、更に怒りを覚えた。

地獄の中国ビザムンバイセンター

第二ラウンドだ。

拒否されてから少し経った4月中旬、出張を終えムンバイに戻ってきたら、最後のトライ。ここで、ビザが取れなかったら、GW中、妻に会えない。

前回失敗した書類の不手際や、危険箇所を全て修正し、完全体の書類を準備。書類だけでも、15枚ほどあっただろうか。さらに、「中国ビザセンター」が公開しているルールブックを全て読み込み、それをプリントアウトして持って行った。今度は9:00のオープンと同時に入室だ。インド人は朝に弱い。だから、朝を攻めれば並ばないということも学習した。

朝9時に予定通り入室。そして、即座に私の番がやってきた。そして、また訳の分からない事を色々言われる。

ビザセンター「結婚証明書は”原本”が必要です」

私「いえ。あなたが間違ってます。あなた方のウェブサイトに記載されているのは、”コピー”でオッケーと書いてます。」

ビザセンター「・・・それは、昔の情報ですね」

私「いえ。これ、朝コピーしてきました。本日のあなたのウェブサイトです。見てください。」

ビザセンター「・・・・。いいでしょう。受け入れます。しかし、後は、中国領事館の判断に任せます」

私「だったら、なんで”コピー”って、おたくら書いてるんだ?!」

ビザセンター「確かに、コピーって書いてありますが、原本が必要です。」

私「意味がわかりません。あなたのウェブサイトに”コピー”って書いてあったら、コピーを用意するでしょうよ。てか、原本なんて中国にありますわ!」

ビザセンター「分かりました。」

ビザセンター「あと、、2枚証明写真は不要です。一枚返します」

私「いえ。これも違います。”あなたのウェブサイト”には、”2枚”必要と書いてます。私に返却しないでください。このまま行ってください」

ビザセンター「・・・・」

全て論破。

信じることができるのは、「自分」だけだ。途上国では、人に頼っちゃダメだ(特に政府系)。そう強く思った瞬間だった。

そして、4/21

妻「ドキドキ・・・」

私「後は、祈ろう」

ビザセンター到着。

私のビザ受け取り番号が呼ばれる。

むむ?!

ビザを拒否された前回のプロセスが違う!

これは・・・。

「完全勝利」

ビザとったぞ・・・自分が強くなった気がする。

4/24本日、出国48時間前PCR検査も「陰性」。後は、中国入国に際して、然るべきウェブサイトに登録するだけだ。

最強の日本パスポートの弊害

日本のパスポートは世界で1番最強と言われている。世界の中で、もっともビザ無しで入れる国が多い国籍、つまり、世界から信用されている国民ということだ。これがどんだけ幸せなことか。逆に、これに楽しすぎて、今回のような自力でビザを取るというシーンに出くわさないから、この辛さや、イライラが中々分からない。ただ、今回の経験で、他の国々の方々の気持ちが少し分かった気がする・・。

今回は、本当にきつかった・・。ただ、やり切った。

4/25インド時間深夜、ムンバイ発、香港経由、北京行き搭乗できる。待ってろ!妻!

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