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712回目:哲学者セネカの手紙〜人生の短さについて〜

これは哲学者「セネカ」が送った手紙の話

当時のローマ帝国では、むっちゃ責任の重たい仕事で、多忙極まりない役職についていた「パウリウヌ」さん。その人に対して綴ったセネカの手紙のお話。その手紙に書かれた内容は、現代を生きる我々にもドキッとさせられるような内容で、私が読んだ感想としては、「読んでいる人の年代」によって、受け取り方が結構変わるものだと思った。私は現在35歳。この本は若ければ若い方が、「読んでおいてラッキー」って思う内容だが、逆に40代、50代が読んだとしても、心に染み渡る内容となっている気がする。「人生の短さ」について書かれているのは、ほんの数十ページ。一夜で読める量ではあるが、内容がめっちゃ難解で、読むのに非常に苦労した哲学の話。

人生は短い

我々はこう嘆く「人生は短い・・・あっちゅうまに過ぎ去ってしまう」「あーあの時からこんなに時間がたってしまったか・・早いな〜」・・・・と。しかし、セネカはいう。「人生は全然短くねーぞ」「短く感じるのはそれは自分の生き方が悪い」「てかなんで、そんな人生の無駄遣いばっかやってんの?」っていうことを述べているのがこの本の結論だ。

人生は実はむっちゃ長い

「人生は短い」と思っているあなた・・・それはあなたがそう感じているだけで、実はむっちゃ長いんすよ。もしあなたが、「人生は短い」と仮に思っているのであれば、それは「あなたが無駄な時間を過ごしている」ってことだ。「お金はいくらあっても足りない」って言葉があるだろう。それはピンとくる。いくらお金を稼いでも人間の欲望ってのは際限がない。宝くじが当たった人が、車買って、キャバクラ行って、旅行して、人に金かして、結局数年後無一文になるってこともよく聞く話。人生も同じ。人生の時間はめちゃくちゃある。だから、生きている最中は、「無限にある」かのような錯覚をし、「自分の時間の浪費」を簡単に行う。なるほど、お金は浪費しちゃダメだと思っているにもかかわらず、時間を浪費しちゃダメだという思いにはなりにくい。「ごめんちょっと金かして」って言われたら、自分の資産を譲ることに躊躇するが、「ごめんちょっといい?」って言われたら、何を疑うこともなく、「あ・・いいっすよ」と譲渡してしまう。そう・・ここでいう「時間の浪費」というのは、一日中寝て過ごした・・・ってことを言いたいだけではない。自分の人生を「時間」と捉えて、どんだけそれを自分のために使っているか・・・ってう話だ。

自分の時間にどんだけ使ってる?

朝起きて、1時間かけて会社に向かう。朝9時からスタートして、メールをチェックする。「すいません私さんちょっといいですか?」と声をかけられ別室の会議に突如参加する。昼飯を会社のメンバーと食べて、午後は営業に行く。営業が終わったら、お客さんの接待だ。そして、飲み会が終わって「また明日もオネシャス!!」と行って、1時間かけて帰る終電。家についてテレビを見ていつの間にか朝を迎える。

これが、サラリーマンだろう。しかし、セネカはいう。

  • 一体どれだけの時間、仕事のこと考えてますか?
  • 一体どれだけの時間、相手のことを考えてますか?
  • 一体どれだけの時間、心配してますか?
  • 一体どれだけの時間、ご機嫌取りをしていますか?
  • 一体どれだけの時間、宴会やってるのか?
  • もはや、宴会やることが仕事になってないか?

そう。こうして余裕のない日々を過ごすことが自分の人生となっているとしたら、それは逆に何も成し遂げられない。心が散漫になると、何事も深く考えることが出来なくなる。全く自分のために時間を使っていない・・・これが「多忙」の人の特徴だ。多忙な人は、あせくせと何かに時間を使っているように見えて、実は気が付いていない。「時間は有限」で、時間とは「自分の資産」であるということを。この「資産」は、既にこの世の中の全員に平等に与えられている。しかし、気が付かない。刻々と「死」は確実に近づいていて、「資産」が尽きるまさにその瞬間、そのお迎えが確実に来ていることを。その足音に気がつかない。「多忙」という雑音にかき消されている。人は必ず、、死につつある。必ず「死に向かってる」。

未来ばっか見るな

「65歳・・定年を迎えたら、妻と旅行に行こう」

サラリーマンの人たちはこういう。「定年を迎えたらあれをやろう」と。来る、輝かしい未来を待っている。人生最後の余暇の時間。これを計画し、今は社畜となる。22歳から65歳まで社畜となりやっときた「定年」・・・・果たしてそれは絶対やってくるのか?「あなた・・・まさか絶対65歳以降も生きていると思ってる?」。セネカは言う。未来の不確実な期待に胸を寄せ生きていると、絶対後悔すると・・。なぜなら、66歳で癌を宣告され、67歳で死んじゃう可能性だってある。59歳で事故に遭う可能性だってある。だったら、あれをやろう・・・っていう計画ばっか立ててないで、「今何をやるか」「過去に何をやったのか」にもっと集中した方がいいと言っている。これは面白い。何故なら、サラリーマンとして生きていると、「事業計画」「予定」「予想」ていう「不確実」なことに皆んなで時間をかけて分析するのがこの世の中で起きている実態であるにもかかわらず、いざ「死期」がそこまで来ているとしたら、その時に大事なのは「未来にやること」ではなく、「これまでやってきたこと」。「未来」のことばっか考えてるってのは、「未来」が「無限」にあると錯覚しているからに過ぎない。先のことばっか気にしてないで、「今何やるか」「過去に何をやったのか」にもうちょっと着目しろ。と。。。セネカは言っている。そう・・・「未来」の予定を立てるってのは、言い方を変えると・・・「先延ばし」をしているってことだ。明日のことばっか考え、それに向けて準備する。明日も、明後日のことばっか考えて生きる。あなたは、いつ、、今のことを考えてるんですか?

自分の人生のために時間を使うとは・・・

セネカ先生・・・そしたら、私はどうしたらいいですか?私が、ほぼ全ての時間を人のために使っていて、自分のために使っていないってのはわかりました・・・そして、先のことばっか考えてて、それは不確実なもに期待しているに過ぎないってこともわかりました・・・・そしたら、「自分のために時間を使う」って、どういうことですか?

セネカ先生「過去とつながること」

セネカ先生「本を読みなさい」

・・・・・・・

・・・・

え?

セネカ先生はいう。本を読むってのは、いわば「過去との対話」。過去の賢者たちが残した記録を、時代を飛び越えて自分に習得できる思考のツール。本を通して自分の知見を広げる・・・これは、人間の幸福感を拡大させる有効な手段である。また、先のことばっか考えて、1人で不安になってるのなら、過去にどんなことが起こったのかを本で知れ。過去に起きたことは、それは確実なことであって、そこから学ぶことは大きい。何故なら、過去の成功者が全部そこに、起きた事柄を書いてあるんだから、なんでそれを読まない?って、言っている。

まとめ

  • 人生を長いと感じるか短いと感じるかは自分次第
  • 多忙になるな
  • 未来のことばっか考えてないで、今を考えろ
  • 過去何やったかを考えろ
  • 本から学べ

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