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722回目:ファスト&スロー〜ピークエンドの法則〜

ピークエンドの法則

ピーク・エンドの法則(peak–end rule)とは、ある出来事を経験した際に、人は感情のピーク(最高潮)とその出来事のエンド(終了時)で、経験の全体を判断するという法則のこと。その出来事の印象を決定づけているのは「一番印象的なシーン」と「一番最後のシーン」である、という考え方である。「ピーク」と「エンド」に記憶に残りやすい体験を提供することで、全体の印象をポジティブにできる。また、一連の体験の中でネガティブな印象を持たれた場面があっても、ピークとエンドが適切であればポジティブな印象を与えやすい。

ダニエルカーネマン先生の実験

  • A)「冷水に手をつける実験で14℃の水に1分間手をつけて終了するパターン」
  • B)「Aと全く同じように同じ時間だけ14℃の水に手をつけ、その後追加で少しぬるいお湯を足し、1℃上がって、15℃になってから30秒後に終了するパターン」

の両方を経験してもらう。そして1週間後、どちらか一方を、もう一回やるように指示された時に、約80%の人がなんと「B」を選んだ。ちょっと待て。冷静に考えてくれ。「B=A +」だぞ。冷静になれば、そら「Aのみ」の方がイイだろ!。わざわざ辛い方を選ぶのはなぜ・・・? これが、ピークエンドの法則だ。このことから考えると、途中不快なイベントがあったとしても、最後がよければ帳消しにできる可能性があると言うこと。下のグラフのように途中で不快感が発生しても最後の最後で良い印象を感じれば、その良い印象がその後ずっと残っていることが多い。

ディズニーランドの例

あなたは今「タワー・オブ・テラー」に120分待ちの行列に並んでいる。「120分待ち」という看板を見て迷ったものの、でもせっかくだからと、列に加わった。しばらくすると、ちょっとイライラしたり、沈黙したり・・・。「もう並ぶのはやめようかな」と、少し後悔しているかもしれない。でも、さすが人気アトラクション。長時間並んだものの、乗ってみると最高!。乗り終えた頃には「やっぱり楽しかったね!!」「これはみんな120分並んじゃう気持ちもわかるわ~!」と、イライラしていたことは忘れて、あなたの気持ちは爆あがり。この例の場合、ずっと長蛇の列に並び続けてイライラが募ったり、足腰が疲れていたりしても・・・・

・アトラクションに乗っている瞬間=ピーク
・乗り終えて盛り上がっている会話=エンド

となって、アトラクションに搭乗したたった数分のピークが、120分も並んでげんなりしているネガティブな記憶を、まるで無かったかのように評価し、最後「また来ようねーーーー!!!!」ってなる。途中がどんだけ辛くても、ドカンと爆あがりした一瞬のピークと、最後のフィニッシュが決まれば、結果的に「いい思い出」になってしまう。

悪い報告は最初にする真理は「ピークエンドの法則」

これを仕事で実践的に活用するとすれば、まずはこれが挙げられるだろう。「上司」「お客さん」への「悪い報告」の順番だ。ピークエンドの法則に従えば、「悪い報告を先にしてから、いい報告」をした方が、「いい報告をしてから、悪い報告」をするより良いに決まっている。その科学的根拠はこのピークエンドの法則だ。上司に話しかける時に、「イイ話が先がいいですか?悪い話が先がいいですか?」なんて聞くあなたは愚の骨頂。

商談やアテンドにも「ピークエンドの法則」

お客様と一緒に出張をしたり、商談をするときはめちゃくちゃある。それにもこれは有効に使われる。例えば、一週間ずっとお客さんと一緒にいると、それは道中では、問題があったり、トラブルなど、常にいい感じにはなっていない。しかし、とある瞬間「ど偉い最高のインパクト」を一発与えられるようなファインプレーをやると、お客様にとってはそれが、その出張の「イイ思い出」となって、ずっと語り継がれたりする。まさに、伝説のようにネタにされる。そして、「またお願いしますね!」って感じになるのだ。常に最高である必要はない。しかし、途中一発ドカンってのを入れるのが大事。もちろん、アテンドのときは、最後お別れ際に、「サプライズプレゼント」なんてやったもんなら、「ピークエンドの法則」を駆使した完璧な対応となるわけだ。「別れ際の手土産」の有効性は、科学的根拠から証明できるのだ。

まとめ

  • 終わりよければ全てよしは、科学的根拠がある
  • 「途中一発ファインプレー」+「帰り際に手土産」=勝利

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